オーストラリア&ニュージーランド共催の女子ワールドカップを戦うなでしこジャパンは、ラウンド16でノルウェーを3−1で下し、スウェーデンと激突する準々決勝へと駒を進めている。

 8月8日に現地でトレーニングを行なった日本は、戦術確認のほか、PK戦も想定したメニューも消化した。

 その様子をスタンドから見守っていたのが、高橋秀人だ。2010年にFC東京でプロキャリアをスタートさせると、ヴィッセル神戸、サガン鳥栖、横浜FCなどを渡り歩く。22年に横浜FCを退団すると、同年末にニュージーランドのオークランドへ語学留学。地元のアマチュアクラブ、オークランドFCで選手兼アカデミーコーチとしてプレーを続けている。

 高橋は横浜FC退団時に、次は英語圏でのプレーを希望。2021年の東京五輪で日本と対戦したニュージーランド(0−0、PK4−2で日本の勝利)の姿が印象に残り、同地を選んだという。

「ニュージーランドはラグビーやクリケット、ネットボールなどが盛んですが、小さい頃はサッカーをプレーする選手も少なくないです。アカデミーレベルでは日本に遠征して、Jクラブのユースチームに勝つこともあるほど、ポテンシャルは高いです。でも、次第に別の競技へ離れて行ってしまいます」
【PHOTO】長谷川唯のダブルピース、猶本光の決めカット、熊谷紗希のキラキラネイル...なでしこジャパンFIFA公式ポートレートギャラリー
 そんなニュージーランドで選手としてプレーを続けながら、現在はU-12、U-13世代のコーチも務める高橋のもとには、女子ワールドカップの反響もあるという。

「アカデミーでも『なんで日本はこんなに強いんだ?』と、なでしこジャパンがスペインに勝利したあたりから、よく聞かれるようになりました。

 ニュージーランドではチーム戦術がなかなか理解されていない。どうやって一つにまとまるのか。チームとして、どう機能させるのか。みんなでプレスに行って、かわされたら戻って。それを最後までやり続けるから日本は勝てると説明しています」

 イングランドのプレミアリーグが視聴でき、サッカーファンも少なくないというニュージーランドだが、実際に試合を見に行ったことのある人は決して多くないようだ。「僕たちの試合では100人集まるかどうか」(高橋)。

 試合会場近辺では盛り上がりも見せ、特設ブースなども並ぶファンフェスタ会場には、19日間で50万人が来場したという。

「どこか2002年の日韓大会の時の日本国内のような雰囲気もあります」(高橋)

 その後の日本と同じように、ニュージーランドでもW杯開催でサッカー熱が高まるか。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト特派)

「りさのおかげで勝ちました!」インタビュー後のなでしこ清水梨紗に抱きつく長谷川唯が話題!「なんだ、この微笑ましい動画は...」

なでしこ長谷川唯、次戦相手スウェーデンをどう見る? 「オリンピックの時もやられたのが...」

「こんなに感覚が合う人はいない!」屈強なノルウェーを手玉に取った、なでしこJのダブルボランチ、長谷川唯と長野風花の阿吽の呼吸はなぜ生まれたのか?